2025.02.04

学修 担当:吉益

「もっと恐ろしく大きいもの」とは…

引き続き2年生の国語では、太宰治の『走れメロス』を読んでいます。今日は、約束の刻限に間に合うようシラクスの町へ急ぐメロスのセリフについて、意見文という形で自分の考えをまとめました。

はじめは、自分の身代わりとして巻き込んでしまった友人の命を救い、王の奸佞邪知を打ち破るために走っていたメロスが、無駄だから走るのをやめろと言うセリヌンティウスの弟子に対して「間に合う、間に合わぬは問題でないのだ。人の命も問題でないのだ。私は、なんだか、もっと恐ろしく大きいもののために走っているのだ。」と言い放ちます。生徒からは反射的に「最悪だ!」「ひど!」と声があがります。しかし、大切なのは後半部分。この状況において、刻限に間に合うことや人の命よりも「もっと恐ろしく大きいもの」とは一体なんなのか。『走れメロス』という物語全体を踏まえて自分の考えをまとめてもらいます。

そこで、年末から先日にかけてのKPC(Kyoso Presentation Contest)の取り組みが生かされます。自分の意見や考えを明確に示して一貫させること、条件を踏まえて説得力を持たせた根拠を述べることなどのポイントを改めて確認したうえで取り組みました。書くことのキーワードや構成をプリントの空いたスペースにまずメモしたり、ノートに下書きを書いて全体をイメージしてから原稿用紙に書き始めたりと、それぞれが工夫しながらじっくりと考えていたところがとてもよかったです。
書きあげた意見文は、後日名前を伏せた状態にして読み合い、相互評価をします。言いたいことを言いっぱなし、書きっぱなしの自己満足で完結させるのではなく、正確かつ効果的に伝わるように言葉を考えているかどうかという相手意識を大切にして、コミュニケーションの力を養っていきましょう。

▼協創プレゼンテーションコンテスト(Kyoso Presentation Contest:通称KPC)

コンテストは「日本語弁論部門「English暗唱部門」「English自由英作部門」に分かれており、学級・学年の予選を突破した代表者が登壇し、表現力を競います。
コンテストの目的は一人ひとりの体験や想いを適切に表現し、伝え合う力を高め、思考力を伸ばすとともに言語感覚を磨き、人間性を豊かにする態度を育成すること。